勝手に付箋

東直子「十階」(2010年:ふらんす堂)

こめんと

ホームページ上の短歌日記がすごくおしゃれな本になった。本そのものも楽しい。短文と短歌が短い歌物語のようになっていて、東さんの作品だなあと思う。

付箋

2月11日 和箪笥のいちばん下の引き出しの下の方からせりあがるもの
3月24日 日当たりの順に花がひらきゆく小さな皿の割れゆくように
8月30日 青いインクを筆にひたして綴りたる文字しなやかに未来を語る
9月28日 われもこう揺れる野道を通りすぎその肉筆を封書は包む
12月23日 折り返し地点は過ぎているのやらみかんほおばりながら生きてる

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