田中義郎「緋の寒牡丹」（2004年8月：砂子屋書房）
こめんと
第５歌集。長く大阪府議会議員を勤めた作者の地方自治を憂い慮る。ある世代以上の男性の一般的な感覚ってこうだろうな、と思いつつ読んだ。夫を支え姑の介護に身を削るよくできた妻。歌われている妻のこころが読者に見えてこないのがすこし気になった。
付箋
吊りかわをもちて話しいる二人吊り輪を時に合せあいつつ
上六より乗り来し鳩の鶴橋にて下りてゆきたり飛び立たずして
「金おまへんがな」ひと言のこのインパクト大阪府の未来
物見遊山のごとくガラス室の中の知事を見に来る中の一人か
七と八と上下変われば出来るのにスパイダーソリティア意地悪続く
