勝手に付箋

ひぐらしひなつ「きりんのうた」(2003年:BookPark)

こめんと

淡い。個性は在るのに淡い。その理由を考えていくと生きているというエネルギーが 希薄なのだろうと思う。他者に対する責任と言いかえてもよい。 (もちろん本人がどうと言うことではなくて作品世界の話である) 時間にも言葉にも重石がない世界は大変魅力的だ。しかし、危うい。

付箋

晴れた日は雲雀になって草笛を吹くあかるさで約束をして
蕎麦の花の白さで眠るそのひとの触れればあたたかくなる右手
底冷えの午後のアトリエ肩越しにひろがる海だけが残されて
つながればメトロノームが笑いだすB♭ではじけるひかり
卒業式には出なかった 傷ついたピアノはソとラの音が鳴らない

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