勝手に付箋

東 直子「青卵」(2001年:本阿弥書店)

こめんと

第2歌集。脚本家としても活躍中の作者で、いわゆるいかにも東直子という 歌ももちろんいっそう魅力的だったが、ここではあえてぽくない歌で惹かれた 歌をあげてみた。

付箋

入り口にひとやまの塩光らせて母は無風の真昼を開く
星を消す役目を終えて春近き街は標本箱のしずけさ
いちにちはこんなに深いはらはらと蝶がひかりを繕っている

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