新谷洋子「詩人のハープ」（2011年：青磁社）
こめんと
跋・澤辺元一。「作者一人の感傷に陥ることなく、毅然として自立しているところであろうか」とある。
付箋
梅咲ける前に並びし父と子の背丈替わりしをカメラに納む
自転車の荷台にて聞きぬ遠き日の「ラバウル小唄」父の歌いき
病む吾に代わりて義父を介護する息子は粥にメロンを添えぬ
わが夫の形見となりし新品のグランドピアノそろそろと弾く
畑より泥付きのままの長葱を夫の建てたる小屋に仕舞いぬ
一人泣き二人泣きして三人の赤子の声の家内に響く
跋・澤辺元一。「作者一人の感傷に陥ることなく、毅然として自立しているところであろうか」とある。
梅咲ける前に並びし父と子の背丈替わりしをカメラに納む
自転車の荷台にて聞きぬ遠き日の「ラバウル小唄」父の歌いき
病む吾に代わりて義父を介護する息子は粥にメロンを添えぬ
わが夫の形見となりし新品のグランドピアノそろそろと弾く
畑より泥付きのままの長葱を夫の建てたる小屋に仕舞いぬ
一人泣き二人泣きして三人の赤子の声の家内に響く
