勝手に付箋

江戸 雪「椿夜」(2001年:砂子屋書房)

こめんと

華麗で不思議で激しい歌。

付箋

激情の匂いするみず掌にためてわたしはすこし海に近づく
ぼあぼあに椿の宵を帰りたり とおくにはもういけないのです
石すなわち言葉のしずむ川の辺を歩めり汝を横抱きにして
月にむかい汝を負えば背中よりふたたびわれへ入りくるような
子を抱いて歩くこの道ぜったいに触れることないノブばかりある

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